どうも映画の著作権と所有権には、特有の香りがするもんだとの
さぎくまさんの指摘は、確かに当たっているかもね。
つまり所有権はなくても、実質支配できるのが著作権!
とすると、今回の損金算入は、きわめて当たり前か?
著作権法 第16条
- 映画の著作物の著作者は、その映画の著作物において翻案され、又は複製された小説、脚本、音楽その他の著作物の著作者を除き、制作、監督、演出、撮影、美術等を担当してその映画の著作物の全体的形成に創作的に寄与した者とする。
「映画の全体的形成に創作的に寄与した者」とは具体的には、映画プロデューサー 、映画監督 、演出家 、撮影監督 、美術監督 等が該当する。
著作権法 第29条
- 映画の著作物の著作権は、その著作者が映画製作者に対し当該映画の著作物の製作に参加することを約束しているときは、当該映画製作者に帰属する。
原則として「映画製作者」(映画の著作物の製作に発意と責任を有する者。2条1項10号)に帰属することにされている。
現在の映像作品の多くは、製作 費を出資するテレビ局などの製作会社と、作品の制作 を受注する制作会社とに分かれていて、制作会社・制作者には著作権が与えられず二次使用料を受け取れないことが制作側の経営や生活を苦しくしているとの批判がある(放送利権 も参照のこと)。
著作権法 第26条
- 著作者は、その映画の著作物をその複製物により頒布する権利を専有する。
頒布権(有償無償問わず、映画作品を販売、貸与、譲渡する権利)は、映画の著作物の著作権者にのみ認められた権利である。
- よって、下記の行為は罰せられる。
- 著作権者に無断で海外から映画作品(ビデオやDVDを含む)を輸入・頒布した場合。
- 販売専用作品をレンタルする等、著作権者が定めた方法以外で頒布した場合。
- 著作権法 第54条
- 映画の著作物の著作権は、その著作物の公表後70年(その著作物がその創作後70年以内に公表されなかつたときは、その創作後70年)を経過するまでの間、存続する。
- 映画の著作物の著作権がその存続期間の満了により消滅したときは、当該映画の著作物の利用に関するその原著作物の著作権は、当該映画の著作物の著作権とともに消滅したものとする。
映画の著作物の保護期間を、著作者の死亡時ではなく、映画の公表時から起算することとしたのは、映画が様々なスタッフによって製作される総合芸術であるため、自然人である著作者を過不足なく確定することが困難であるからである。
2003年の著作権法改正までは保護期間は50年とされていた。なお改正前に保護期間が切れたものについては改正後も改めて保護の対象とされることはない。この改正の端境期にある作品において保護期間が切れたかどうかに見解の相違が存在することについては、1953年問題 を参照のこと。